追憶

サイズ:1855×2835 200号 油彩
第26回青枢点 特別賞
「綺想曲」と題された本作は、番の芸術を貫く「カプリチオ」そのものだ。
王様や馬車のようにかろうじて読み取れるモチーフはあるが、目で見たものを分解し、再構築する抽象の手腕が光る。具象と抽象のどちらでもない半抽象に、現実と夢想の狭間にあるかのような感覚を覚える作品だ。
200号もの大きな絵画で、モチーフを大きく描く大胆さと、細部に装飾を凝らす繊細さが同居している。気まぐれなカプリチオを奏でるように、番は視点すら自由自在に動かしてみせる。